サイトカインストーム:新型コロナウイルス重症化予防に漢方

 昨夜(令和2年5月12日)、NHK総合TV「クローズアップ現代」で、コロナウイルス感染の重症化の初期に、無症状低酸素血症(Happy Anoxia)があり、その後の多臓器不全にサイトカインストームによる血管の炎症拡大が関与しているとの話がありました。

 無症状低酸素血症は、指先に挟むだけで簡単に測定できる酸素飽和度計で確認できるので、当院でも随時行っていて、問題があれば精査できる病院へ紹介しています。

 サイトカインストームというのは、インフルエンザ脳症などの説明にも使われる「炎症の嵐」で、高熱が出やすく強い倦怠感と筋肉痛・関節痛が認められる状態の背景に、炎症性サイトカインの過剰分泌があると考えられています。

 インフルエンザ感染ネズミの実験で、感染前に葛根湯を飲ませておくと、炎症性サイトカインであるIL1αの増加が有意に抑制できて高熱が出なくなり、ウイルス肺炎を軽減できたという報告があります。
 麻黄湯の原典の条文にも「太陽病,頭痛発熱,身疼腰痛,骨節疼痛,悪風し,汗無くして喘する者,麻黄湯之を主る(傷寒論太陽病中篇)」と発熱と全身の強い痛みと喘鳴に効くとあるので、葛根湯と共通する生薬が多い麻黄湯も、サイトカインストームを抑制でき、ウイルス肺炎の症状でもある喘鳴にも良いと思われます。

 つまり、コロナウイルス感染にサイトカインストームが関与しているのであれば、重症化予防のために感染初期から漢方薬を飲んでいたほうが良いと思うのです。

 漢方薬は症状に応じて処方を選ぶ必要があるので、漢方に詳しい医師や薬剤師に相談してくださいね。