「パンデミックに挑む」漢方薬の抗ウイルス効果(令和2年4月)

4月のお話は、新型コロナウイルス感染対策に役立つお話をします。

日経メディカルの「パンデミックに挑む」という連載記事の中に、漢方薬の抗ウイルス効果の記事を見つけました。https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/special/pandemic/topics/201205/524880.html

「傷寒論」という急性熱性疾患治療のバイブルとも言われる古典に掲載されている漢方薬は、インフルエンザや感冒などの実臨床で広く用いられていて、西洋薬と同等か、より優れた臨床効果があるという臨床データが報告されています。

 その科学的理由として、福岡大学の鍋島茂樹先生が、「オートファジー機能増強で抗ウイルス効果を発揮」と2012年の感染症学会で報告され、日経メディカルの記事になったものです。

オートファジーの図

オートファジーとは自己消化機構のことで、自分の細胞内の異物や老廃物をオートファゴゾームに取り込んで、ライソゾームで消化分解する働きです。

別冊「医学のあゆみ」 漢方医学の進歩と最新エビデンス 2013年

ウイルス感染で機能低下したオートファジーを、漢方薬で活性化して増強することで、細胞内で増えたウイルスを取り込んで消化分解してしまうことができるということが証明されたのです。シャーレの中の実験では、数百万個に増えたウイルスが24時間後に数十個に減るというデータが示されています。

実際に、インフルエンザで高熱が出ていた人が、漢方薬だけで一晩で平熱に戻ると言う経験をします。当院では感冒には必ず漢方薬を出すのですが、普通の感冒の発熱でも翌日には解熱するので、解熱剤を使用することはほとんどありません。

今回のコロナウイルスに効くかどうかは、経験が無いのでわかりませんが、中国では漢方薬を併用した場合の方が合併症は少なかったと報告されています。http://www.kansensho.or.jp/modules/news/index.php?content_id=140

 漢方薬は、人間の自然免疫力を利用し、高めて、風邪を早く治そうとするものです。ウイルスの種類によらず効果が期待できますから、コロナウイルス感染のごく初期にも良いのではないかと思われます。

 感染予防は何と言っても手洗いとマスクです。風邪かな?コロナウイルスに感染したかな?と感じたら、病院へ行く前に、市販の漢方薬で良いですから、感冒用の漢方薬を飲んで、一晩様子を見て、症状の改善を感じることができればその漢方薬を続けて、国の指示の通りに4日間自宅で様子を見てください。医療機関を受診する必要はありません。感染を広めないためにも、漢方薬を活用してくださいね。

※注意※ 図中に麻黄湯とありますが、これは実証に使用する強い薬ですから、持病のある方には副作用が強く出たり、胃が荒れて食欲が落ちたりして、逆効果のことがあります。他にも葛根湯や小青竜湯や麻黄附子細辛湯など感冒に使える漢方薬は10種類以上あります。漢方薬は体質などに応じて使い分けるのもですから、必ず漢方薬に詳しい薬剤師や医師に相談して、自分に合っている漢方薬を見つけてから服用してくださいね。