花粉症の次に来るもの 副鼻腔炎と第4波(令和3年4月)

今年の干支は辛丑(かのとうし)、九星では六白金星の年、どちらも呼吸器系に負担がかかって慢性化しやすいという象意の年です。

 今年のスギ花粉症は、急に温暖になった2月22日から一気に広がり、昨年よりかなり重症の人が多かったように思います。4月にはヒノキの花粉がピークになり、5月にはイネ科の花粉にバトンタッチされ、6月頃から9月頃まで、ダニやハウスダストなどの通年性アレルギー性鼻炎も増加します。
 これと平行して、花粉症の後を追うようにして発症するのが、副鼻腔炎(蓄膿症)や慢性咳嗽、咳喘息、気管支喘息などです。これらが一気に増え始めるのが4月からで、5月の嵐(メイストーム)、梅雨に向かって悪化していきます。

 副鼻腔炎には、蓄膿症に伴う鼻茸を治し鼻の通りを良くする辛夷(しんい)の入った漢方薬があります。花粉症で上気道が乾燥して荒れるので、咳が止まらなくなることがあります。そのようなときには、麦門冬湯が有名ですが、もっと長期的に喉の炎症を鎮めたり、しっかり潤して痰の切れを良くする漢方薬がいくつもあります。
 コロナウイルス感染症の後遺症で、息苦しさが残ったり、痰が絡んで咳が長引いたりしている人にも、漢方薬が利用できます。

 もともと、漢方薬は、病気の原因を追求するための顕微鏡やレントゲンなど診断的機械が何もない時代に発展した医学なので、病気を追求せず、病人の体のアンバランスを診て、不足を補って体を元気にすれば、病邪が出ていくという考えの医学なので、人体の自然免疫力を高めることが得意です。それで、コロナウイルス感染症の重症化を軽減できたり、後遺症が治療できるのだろうと思います。

 コロナウイルス感染の第4波が始まっているようですが、漢方薬の開発の歴史は、まさに当時、大流行していた疫病の「傷寒」論から始まり、各時代のパンデミックと戦ってきた歴史的エビデンスのあるものばかりです。さらに、ウイルスの種類によらず、時代を超えて臨床効果が実証されてきたものばかりであり、最近の科学で、漢方薬が人の感染初期に働く自然免疫力をしっかりと高めているという科学的エビデンスも明らかになりつつありますから、コロナウイルスがどのように変異しようとも、感染初期から漢方を駆使すれば、乗り切れる可能性は高いと思います。