小児四肢疼痛発作症の漢方治療の可能性

最近、日本で発見された遺伝性疾患で、家族内で発症し、小児期に四肢の夜間に強い疼痛を訴え、成長にともなって軽減するもので、遺伝子変異が特定され、疼痛に関連する神経細胞膜のナトリウムチャンネルが不調になり、痛みに過敏な状態になるという病気です。

図1.小児四肢疼痛発作症の症状。提供:京都大学医学研究科

 図に小児四肢疼痛発作症の症状(提供:京都大学医学研究科)をまとめました。以前は、診察をして何も無ければ、「成長痛でしょう、温めて様子をみてください」と言っていた子の中にこの病気が隠れていたかも知れません。

 まだ治療法が見つかっていませんが、漢方医学的に考えると、陽気の不足する夜間に痛みが強く、痛みが時間的に変化して、痛みの場所が移動するのは、寒邪(かんじゃ)や風邪(ふうじゃ)に犯されていると考えるので、温めて感冒をなおす桂枝湯類の処方を考えます。ナトリウムチャンネルの不調ですから、症状が強ければ附子を含む漢方製剤を痛い時だけ、少量を併用するのも良いかと思われます。

 通常の鎮痛剤では、鎮痛解熱作用によって体温が下がるので、一時的に痛みが取れても、痛みやすい体質を悪化させてしまうことになります。青年期には治っていく病気なので、まず、漢方薬で寒さや悪天候の影響を受けにくい体質を目指して治療をしながら、どうしても痛いときだけ鎮痛剤を使うという対応が良いのではないかと思います。  当院は小児の漢方治療を得意としておりますのでいつでもご相談下さい。