アトピーや乾癬などの皮膚疾患と漢方治療

慢性に経過する皮膚炎であるアトピーや乾癬は治療ガイドラインにあるように軟膏療法が欠かせません。当院は皮膚科ではないので軟膏に関しては基本的に皮膚科の先生にお任せしています。

医学生は皮膚科学の授業で「皮膚は内臓の鏡」と学びます。漢方でも内臓の不調から皮膚の気血水バランスが崩れて皮膚病になり、さらに食毒が皮膚に出て悪化すると考えます。元々アトピーは胃腸の弱い乳幼児の病気で、小学校に入学する頃には自然に治るものでした。また乾癬も以前は肉食に偏った欧米人の病気と考えられていました。
いま流行のメタボリック症候群で分かったことは、高脂肪食で体内に増えた遊離脂肪酸が脂肪毒性を発揮して、全身を炎症性体質(於血)にしてしまうことです。

まさに食毒ですね。
従って、慢性皮膚疾患の漢方治療の基本は、胃腸を元気にして腸のバリア機能を高め、高脂肪食を避けて、清熱解毒を促し、炎症性体質を改善することです。皮膚科の軟膏療法に食事と漢方を併用することで難治性の皮膚疾患が改善する場合があるので、一度、試してみてはどうですか。

2007/07/09

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