重陽の節句の真意(令和7年9月)

 今日は重陽の節句、陽(奇数)の最も大きい数字の9が並ぶ日です。この日を境にして、次第に陰の氣が増えていき、陽ざしが次第に和らいで、日没が早まって、日中は暑くても夜間の気温が下がってきます。昼夜の気温差が最も大きくなる月で、自律神経失調になったり、喘息発作が出やすくなります。

 3月3日桃の節句、5月5日端午の節句、7月7日七夕の節句、9月9日重陽の節句、この5つを五節句と言って、古代の人々はとても大切なお祝いの日にして星々に祈っていました。
 特に7という数には変化・改善の働きがあり、七夕には、アルタイルの牽牛とベガの織女が天の川で出合い、私達が短冊に書いたそれぞれの願いを受けとって、その願いが実現できるように、人の命運を書き換えてくださり、人が精進努力しやすいように軌道修正し、新たなレールを敷いてくださるそうです。その変化改善の軌道修正の働きが、重陽の節句で一応の完成を見て、その後の努力の方向性を示してくださるのだそうです。
 古来から9月には来年の運勢の風が吹くと言われますが、七夕からの命運の書き換えが完了して、来年の星「一白水星、丙午歳」に向けての方向性が見えてくるからなのですね。

 健康面では、残暑が厳しいながらも、昼夜の気温差が大きくなるので、首肩こりやめまい、頭痛が悪化したり、夏の疲れがなかなか取れずに、体調不良が長引きやすいと思われます。生姜など身体を温める食材を多めに摂るように心がけてください。
 漢方医学的には陰陽五行説の「金気」が強まって、肺(呼吸器系と皮膚)と大腸に負担がかかり、喘息や咳が長引いたり、便秘や下痢が増えて、精神面では、胸が塞がる想いである悲壮感が出やすくなります。
 また、秋雨前線が何度も日本列島を通過して、気圧の変化が激しく、気象病性頭痛やめまいを起こしやすくなります。漢方では「脾胃(膵臓と胃腸)は湿(邪)を忌む」といって、日頃から胃腸の弱い人が体調不良を起こします。

 すべて漢方薬で対応が可能ですので、心配な時は遠慮せず、当院へご相談ください。