秋氣が満ちて冬に備える10月(令和7年10月)

10月7日に北海道の利尻島で4日遅れの初冠雪(全国で最初の雪)がありました。ようやく秋らしくなり、庭の柿も色づき始めました。
秋には寒気が次第に強くなり、気が冷え、気が滞り、気が沈み、気が落ち込んで、気が枯れていき、もの悲しさを感じる季節です。
古来から日本では、人は祖に基づき、祖は神に基づくとされ、人の祖先は神であり、人は亡くなると祖霊となり、やがて氏神となって、子孫を守ってくださる。つまり神は人の御親のトップにあって家族のように親しい存在と思われてきました。こうして八百万の神々様のご神気によって、人には運気を添えていただき、気力、気運、元気を与えてくださるものとして、生活の場に神棚を設けて神を祀り、聖(神)と俗(人の生活)を区別して共存するという伝統と文化を生みました。
だから、秋のケガレ(気枯れ)を、稔りの秋と受け取って、神々に感謝する祭によってケガレを祓い、神気を盛り上げて、人に気力と運気を添えていただき、その後にやってくる厳しい冬を越える準備をしました。
漢方医学では、人の体内を気血水が巡り、体内環境を整えてくれているので、四季の季節のストレスから気血水を守る工夫をとても大切に考えてきました。
夜間の冷え込みが次第に強くなり、日中との寒暖差が大きくなる秋の季節は、冬よりも寒気の影響が強く身体に影響するので、頭痛や首肩こり、腰痛が悪化したり、鼻水や咳が出やすくなり、喘息が悪化しやすくなるので、食事や漢方薬で体を温めて痛みを軽くし、喉を潤して咳を鎮め、身体に元気(神気)を蓄えて、冬に備える大切な季節です。
1か月後の11月7日には「立冬」になります。漢方だけでなく、インフルエンザワクチンも、冬の流行の最盛期にそなえて、10月中に接種することをお勧めします。予約不要です。