立秋をすぎた漢方的残暑対策(令和7年8月)

 7月の盛夏中は、40℃を超える酷暑が頻発しました。立秋(8月7日)を過ぎても、35℃以上の猛暑日、雨が降っても30℃以上の真夏日が続いています。
 国連事務総長は2023年に「”地球温暖化”の時代は終わり、“地球沸騰”の時代が到来した」と述べて、熱中症への危機感を示しましたが、いよいよ現実味を帯びてきました。

 これだけ気温が高いと、体熱の逃げ場が全く無くなってしまうので、高体温が遷延して、暑熱障害による脳神経細胞障害から脳浮腫となり頭痛や嘔吐(熱中症Ⅱ度)、身体的には高温による水分喪失・脱水によって末梢循環障害をきたして、こむら返りが多発して細胞損傷をきたす熱中症I度が頻発します。体温より低い場所で涼むクーリングが最も大切です。水分摂取だけしていれば良いというものではありません。
 重い熱中症になると、暑熱障害と脱水によって不可逆的な脳障害と多臓器不全になり、重症の後遺症を残したり、死亡に至る危険が高いので、本当に危険です。

 また、北半球全体のアフリカ並みの高熱環境は、アフリカで流行している致死性ウイルス感染症が、いつでも世界的なパンデミックとなりうる状況が整いつつあるというリスクもあるのです。
 ウイルス感染は、西洋医学的には、ワクチンがなければ、全くの無防備ですから、解熱剤や普通感冒薬による対処療法のみでは、新型コロナの武漢ウイルス感染のように、感染数日で次々と死亡者が出てしまうことでしょう。ですから、WHOはパンデミック条約を広めようとしています。

 しかし当院では、ウイルス感染に対する漢方薬の歴史的エビデンスを学び、実践してきたので、コロナウイルスに対しても、次から次へ変異し、今も流行して、くすぶっていますが、当初からの漢方治療によって、重症化した人は一人も出ていません。
 それは、漢方薬の使い方を工夫することによって、①病初期の重症化に大きく関与するサイトカインストームを一気に鎮静化でき、②細胞内で増殖するウイルスを、オートファジー機能を活性化して、一晩で十万分の一に減少させることができるからです。

 まだまだ残暑が続き、8月のお盆で、日本民族の大移動に伴って、変異したコロナウイルスが再び流行しようとしています。漢方薬で熱中症予防やウイルス感染軽減化が可能ですから、いつでもご相談ください。
 残暑が長引くと、本格的な秋に、喘息などの呼吸器疾患が重症化しやすくなります。漢方的に呼吸器を丈夫にする工夫を今から始めておくと良いですよ。漢方を活用して、未曾有の自然の猛威を乗り切りましょう。