11月の勤労感謝の日、日本の感謝祭で元気になろう

 11月という月は、キリスト教圏では感謝祭Thanksgivingがあり、日本では、天皇陛下がその年の五穀豊穣を神々に感謝する新嘗祭(戦後に勤労感謝の日と呼称を変更された日)があります。つまり、世界的に共通して、天(神々)の恵み、実りの秋に感謝する月と言えます。
 この天の恵みに感謝する心は、世界人類に共通する心であり、体調を整えて元気になるために、とても大切な心です。

 日本人は、報恩感謝の心を大切にして、惻隠の情を尊び、卑怯を憎む武士道の精神を持っている素晴らしい民族であると、『国家の品格』の著者、藤原正彦先生がおっしゃっておりますが、親の恩、家族、同僚、会社、社会や国家の恩、天の恩を心から感じることができれば、自然と感謝の心が湧き、言動や行動に表れて、誠となり、『至誠、天に通ず、至誠にして動かざること、未だこれ有らざるなり』と孟子の言葉が真実になります。

 アメリカ合衆国では、キリスト教の宗教行事である感謝祭を国の祝日に指定し、大統領就任式も新約聖書に誓いを立てます。イギリスも、英国教会の首長はエリザベス女王で、イギリス議会上院(貴族院)には、聖職者が主要メンバーとなっていて、国家の繁栄を祈る儀式を国家として行っています。伝統ある国々には、国を挙げて神々の加護に感謝する心が生きています。
 しかし、日本だけが、敗戦直後のGHQ占領軍によって、日本人のルーツである神道が戦争に繋がる悪いものとみなされて、一方的に否定され、日本の文化、伝統が正しく継承されなくなっています。

 戦後、唯物主義的考え方が重視されて、目に見えるものしか信じない、科学的に証明されたものしか信じない、実物や五感で感知できるものしか信じない人が、科学的で進歩的な人であり、優れた人のように思われがちになりましたが、私は違うと思います。

 人は肉体的に健康であっても、目に見えない心が不健康であれば、やがて肉体にも不調が及びます。
心の持ち方一つで、 様々なストレスを超えることができなくなり、 体調が崩れ、不登校になったりします。漢方医学では心身一如ですから、肉体を元気にすることは心を元気にすることそのものです。

 ストレスをストレスと思わず元気に超えていくコツは、全ての境遇を天の恵みと受け取って心から感謝することです。憎い卑怯な相手、嫌いな相手に対しても、「お蔭で心が強くなれた、人間理解が深まった」と、強引に感謝して、相手を許す大愛の心を持つことです。
 天は輝いているので、感謝の心を天に向けると明るさの極みとなります。大愛は温かさの極みです。明るく温かければ、心身は軽やかになって、凝りも痛みも消えていきます。漢方薬だけでも体を温めて血行を良くして凝りや痛みに有効ですが、そこに心の持ち方を明るく温かくすれば、さらに、漢方薬も要らなくなるぐらい元気になれます。

 私自身も11月23日を感謝祭として、心の持ち方を改める日にしようと思います。