梅雨の健康管理 令和4年6月

 今年の関東甲信越の梅雨入りは6月6日でした。梅雨明けは7月中旬頃と予測されています。6月は夏至の月でもあり太陽の日ざしが最も強くなる月ですから、梅雨寒と梅雨の合間の晴天を交互に繰り返すので、気温と湿度が大きく上下して、体に負担のかかりやすい季節です。

 特に湿気の影響はとても大きいので、脱水を心配して水を大量に飲んでいると、梅雨の湿気と水の飲み過ぎの影響のダブルパンチで、体が水びたし状態となって手足や体が重だるくなり、めまいや頭痛を起こしたり、とにかく疲れやすくて体が重くなります。

 漢方ではこれを水毒と言い、水の飲み過ぎだけで無く、気候の湿気、冷房で体の冷やしすぎ、ビールに唐揚げが美味しい夏になって、脂っ濃い揚げ物ばかり食べるようになると、胃腸が衰弱して、体内の水分をさばくことができなくなり、水毒が高じて気血水の全てが動かなくなる痰飲の状態になります。漢方的にはコロナ後遺症の記憶障害や高齢者の認知症も「心」の痰飲と考えます。

 水毒や痰飲は漢方薬の得意分野ですから、少しでも体調が心配であれば漢方薬で体のバランスを整えて、梅雨のうちに夏バテ予防を心がけると良いと思います。漢方は医食同源で食事や飲水への配慮も大切です。開業医の大切な役割の一つには、皆さんの健康レベルを高めることがあります。大きな病院では小回りがきかないことでも、開業医ならではの機動力で皆さんの健康をサポートしていきたいと思います。