立夏を過ぎた健康管理 令和4年5月

自宅の庭に大輪の牡丹が咲いていました。5月5日はこどもの日ですが、暦の上では春の土用が終わり立夏に切り替わる日です。

 人の健康は二十四節気で動いていますから、立夏は漢方からみれば、『夏』という働きを象徴する陰陽五行の『火』の気の影響が出始めるので、漢方の五臓六腑の『心』と『小腸・三焦(消化器系)』に影響して、精神不安や消化器系の不調を起こしやすくなります。

 学校や会社に行きたくなくなる五月病は、漢方の心(神気虚)と消化器系の不調(脾気虚)と考えられるので、安神薬や補気薬、補脾(胃腸)薬などで改善できることが多いです。

 頭痛やめまいもこの時期に増える不調ですが、5月の嵐、メイストームと言って、低気圧や前線が何度も通過して梅雨に向かって行くので、湿気の影響を受けて『水毒』になりやすい時期だからです。水毒になると、さらに気象の影響を受けやすくなりますが、漢方の利水薬を用いると比較的早く改善できます。

 水毒になりやすい基本体質には脾虚、腎虚、痰飲、瘀血など様々な要因が背後に隠れていることもあり、これらの要因を漢方で体質改善すると、1年後には季節の影響が小さくなることを実感できる人が多いです。

 また6月の夏至に向かって日ざしが強くなり、もともと瘀血体質のある人は顔が火照ってシミ・ソバカスが増えやすくなりますが、『美容丸』とも呼ばれる漢方薬で瘀血体質を改善できます。

 本格的な梅雨や猛暑を迎える前に、心神と脾腎を元気にして、気虚、瘀血、水毒、痰飲など、夏バテ要因を軽減しておきましょう。何なりとご相談くださいね。