立春以降のオミクロン株対策 令和4年2月

2月4日は立春、冬が終わり春の兆しが現れてくる季節になりました。まだ寒さ厳しく、寒気が南下して、東北や甲信越、北陸では吹雪のニュースが流れていますが、つくばの自宅の梅の花が咲き始め、春の気配が、日に日に広まっています。

 現実世界では、コロナウイルスの変異株であるオミクロン株も、さらに変異して BA.1、BA.2 、BA.3、B.1.1.529の系統ができているそうです。 BA.1からBA.2への変異で感染力が更に2倍となり、 BA.2 は日本を含む57カ国で確認されており、デンマークではすでに置きかわったそうです。
 今の第6波 のBA.1 が長引くか、 BA.1 が終息しないうちに BA.2の 第7波が来るのではないかと言われています。

 今のコロナのワクチンは、初期のウイルス株をベースに作られたものなので、昨年秋のデルタ株までは90%以上の発症予防効果がありましたが、オミクロン株では3回目のワクチン接種後に60%の感染予防効果があると言われています。
 オミクロン株のウイルス表面のスパイク蛋白は、細胞表面のACE2への親和性が高く、細胞へ侵入しやすくなっているそうです。ACE2が高発現している臓器は肺、血管、心臓、腸管、脳、腎臓ですから、デルタ株ほど毒性が強くないと言われていても、感染が長引けば、今までと同じように多臓器不全や微小血栓を起こして重症化する可能性があります。

 3月から小児のワクチン接種が始まろうとしています。COVID-19の経口薬は小児に適用がないので、小児をコロナ禍から守るためには、西洋医学的にはワクチンしかありません。
 しかし、東洋医学的に見れば、傷寒論というバイブルをベースとして、急性熱性疾患に対して、数千年間、戦い続けてきた歴史があり、大正時代に世界的に大流行したスペイン風邪(1918-1919年)に対しても、漢方薬が活躍しました。
 今は、漢方薬の科学的研究によって、ウイルスの種類によらず、麻黄や桂枝が含まれる漢方薬には、感染初期の重症化要因であるサイトカインストームを正常化して、早期に解熱させ炎症を鎮めることができることが証明されています。
 また、細胞内に侵入したウイルスを、細胞のオートファジー(貪食)機能を高めることによって、一晩でウイルスを激減させることが分かっています。さらに、このウイルス消滅効果は、コロナやインフルエンザなどのRNAウイルスだけでなく、ヘルペスなどのDNAウイルスにも同様の効果があります。詳しくは『コロナの自宅療養こそ漢方を!(9月8日改訂)』をクリックしてください。

 2月は、まだ、寒さが厳しいので、様々なウイルス感染があり、中旬からはスギ花粉症も始まりますが、両方とも同じ漢方薬で対処できます。オミクロン株の流行が続く中ですので、スギ花粉症の人は症状が出る前から、風邪気味の人も、早めに治療を始めてくださいね。