つちうら東口クリニック › フォーラム › 医療コミュニケーションフォーラム › 食物アレルギーの治療方針について
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かおりゲスト
8ヶ月の息子がいます。
生後6ヶ月ころからごく少量の卵黄(固茹でのゆで卵)から始め、少しずつ食べる量を増やしてきました。7ヶ月になるころには卵黄半分が食べられるようになりましたが、7ヶ月の終わりころに卵黄1ヶを食べたところ、吐いてしまいました。吐いたのは1回のみだったため、消化不良で吐いたものと考え、約1ヶ月後の生後8ヶ月のころにもう一度卵黄半分を食べたところ計6回吐き意識状態も薄くなったため土日救急外来を受診しました。
アレルギーテストを行なっていないため、卵アレルギーかは判明していません。
つちうら東口クリニックにはアレルギー科もあるとお聞きしました。前置きが長くなりましたが、例えばアレルギーテストで卵アレルギーであることが判明した場合、どのような治療方針があるかお聞かせくだされば幸いです。特に、一般的な小児科と治療方針に違い(得手)があればお聞きしたいです。(土日救急外来で診ていただいた病院へそのまま受診を続けようか検討しているためです。)親としては卵が食べられるようになれば嬉しいと思っています。よろしくお願いします。けんご(院長)キーマスター最近の食物アレルギー治療の流れでは、アレルギー反応が出ない程度の少量から始めて少しづつ食べて治す治療が行われつつありますが、今回、救急外来を受診されたように、経過中にアナフィラキシー反応を起こすこともあるため、入院施設のあるアレルギー専門の小児科で減感作療法など一般的な治療を行うことをお勧めします。
その上で、当院では、アレルギー寛容(アレルギーを起こさなくなること)を起こしやすくする手助けを漢方などを用いて行っています。
つまり、アレルギーに大きく関与している腸内環境を整えるために、漢方の建中湯類や参耆剤、オリゴ糖、酪酸菌などを利用したり、腸の慢性アレルギー性炎症を改善する食事指導をしたりしています。
腸と皮膚は漢方的には表裏の関係にあるため、皮膚の状況に応じて漢方薬を使い分けています。まずは、入院施設のある小児アレルギー専門医にご相談されることをお勧めします。
かおりゲスト先日の診察ではご相談にのってくださりありがとうございました。
その後、プリックテスト、血液検査、食物負荷試験すべて陰性となりました。今は量や頻度は限定的ですが、卵を食べています。これから少しずつ食べる量と頻度が増やせていくと思います。
ところで、血液検査の結果で質問があります。非特異的Ig-Eの数値が58でした。用紙に参考基準値があり、1〜3歳は5.24〜29.99とあります。子供は1歳なので基準値を超えていることになります。この数値は何を示しているのでしょうか。今後アトピーになるリスクを示しているのでしょうか。
また、日常生活で気をつける点がありましたら教えてくだされば幸いです。私は先生に10年以上もお世話になり、食生活も気をつけた成果か、この数値は初診時と比較してとても下がりました。一方で子供へは何を気をつけたほうが良いのかわかりませんでした。けんご(院長)キーマスター専門病院で減感作を行っていただいているのですね。良かったですね。
ご質問の非特異的IgEですが、参考基準値というものは、正常と思われる状況の子どものIgE値を集計して95%内に入る境界値の上限が1~3歳で29.99ということですので、この値より高くても正常と判断できる子が2.5%は居るということです。
この値は、過去にIgEが増加するような状況があった事を示しているだけで、現在もアレルギーが強いかどうかは、他の状況を含めて総合的に判断されるものです。
現在、安定しているのであれば、それ以上増える可能性は少ないのではないでしょうか。
以前にもお伝えしたかもしれませんが、アレルギーは腸の慢性炎症を起こしやすい状況を起こさないように、食物線維の多い食事に心がけて、腸内の酪酸菌を増やして、制御性T細胞という免疫の暴走を止める細胞を増やす工夫を続けていればアトピーになるリスクを減らすことができます。余り細かいことを気にしないで、温野菜が常にいっぱいある食卓にしていれば大丈夫だと思います。かおりゲストいつもご相談に乗ってくださりありがとうございます。以前に「この漢方が飲めれば野菜もしっかり食べられるようになるよ。」と言われ、息子に処方していただいた漢方を飲んだおかげか、息子は好き嫌いなく元気いっぱいです!(その漢方の名前は忘れてしまいました。)先生のおかげですね。ありがとうございます。これからも温野菜生活を続けます。
けんご(院長)キーマスター野菜が好き嫌いなく、しっかり食べられるようになると、アレルギーを起こしにくくなります。
ヒトの免疫中枢は腸にあります。野菜がしっかり食べられるようになると、善玉腸内細菌のご飯になるので、その結果として善玉腸内細菌が乳酸、酢酸、酪酸などの有機酸をつくって腸内を弱酸性の健康な状態に保ってくれるので、また酪酸が制御性T細胞というアレルギーを鎮める細胞を増やして、過剰免疫反応が起きないようにしてくれるので、食物アレルギーを鎮静化できます。
漢方薬は様々な生薬の組み合わせで、五味(酸っぱい、苦い、甘い、辛い、塩辛い)がバランス良く含まれているので、物心つく乳幼児期に漢方薬の味に慣れていると、お野菜に含まれるわずかな苦味や酸味にも慣れて、ピーマンや人参など香りの強い野菜が何でも食べられるようになります。
漢方薬に感謝していただき恐縮です。温野菜生活を続けておられること、本当に良かったですね。 -
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