梅雨は湿気と冷え対策(令和7年6月)

 6月は水無月(「無」は強調の古語で水の月の意)と呼ばれています。地には、水の恵みの梅雨を迎えて稲が育ち、天には、太陽が最も高く輝く夏至を迎えて陽の気が満ち、人には、夏越しの大祓(なごしのおおはらい)という古来からの伝統行事があって、神様に陽の神気を補充していただき、人の気力をリフレッシュしてきた歴史と文化があります。

 梅雨の頃は、1年のうちで最も強く気象の影響を受けやすく、頭痛やめまい、身体の怠さ、意欲低下、朝起きられず日中に眠くなって勉強や仕事にならないなど、気象病と呼ばれる体調不良が起きやすい季節です。

 西洋医学的に様々な検査をしても異常がないので、自立神経失調などと呼ばれ、精神安定剤などが処方されることが多いようですが、漢方医学的にみれば、湿気と冷えによって脾胃(膵臓や胃腸)と腎(水分代謝と耳)が不調になった症状と診断できるので、胃腸を元気にしたり水分代謝を良くする漢方薬で対処できます。

 漢方は心身一如なので、身体だけでなく心も元気にできるので、体調不良で朝が起きられなくなり、気力を失って不登校になってしまった状況にも、漢方薬が良いと思います。

 気象病や起立性調節障害や自律神経失調症かなと思われたら、いつでもご相談ください。6月の夏越しの祓いと漢方薬で、気力をリフレッシュして、猛暑にそなえてくださいね。