過酷な夏の疲れのリセット(令和8年9月)

過酷な夏の疲れをリセットし、秋の不調や感染症に備えましょう

 今年の夏は40℃に迫るような猛暑が続きましたね。皆様、本当にお疲れ様でした。
立秋を過ぎてからは秋雨前線が活発になり、不安定な天候が続いています。

 漢方では、長雨や湿気による体への悪影響を「水毒(すいどく)・水滞(すいたい)」と呼びます。体が重だるい、頭痛、めまい、お腹の不調(下痢や軟便)、むくみなどは、この「水」の滞りが原因であることが多いのです。こうした症状は漢方薬が得意とする分野であり、長引く冷えを伴う場合には、体を芯から温める生薬(附子など)を使って整えていきます。

 また、あれだけの猛暑を経験した私たちの体は、ヒートストレスにより体内(DAMPsと呼ばれる物質など)で「慢性的な炎症」を起こしやすくなっています。9月に入っても「強い疲労感が抜けない」「頻繁に足がつる(こむら返り)」といった症状がある方は、この見えない炎症が原因かもしれません。これらも漢方薬で炎症状態を和らげることで、すっきりと改善に導くことができます。夏バテが抜けない方は、ぜひ早めの漢方治療をお勧めします。

 気候変動の影響は、感染症のリスクにも及んでいます。茨城県では、早くも8月下旬にインフルエンザの流行期入りが発表されました。
 西洋医学では、ウイルス感染に対しては(ワクチンがなければ)解熱剤などによる対症療法が中心となりがちですが、実は漢方薬にはウイルス感染に対する長い歴史と確かな実績があります。

 当院でも、新型コロナウイルスのパンデミックにおいて、漢方薬をうまく活用することで重症化した患者様は一人もいらっしゃいませんでした。
 それは、漢方薬の使い方を工夫することで、以下の2つのアプローチができるからです。
① 病気初期の高熱に関わる過剰な免疫反応(サイトカインストーム)を一気に鎮静化する
② 細胞が自らを浄化する働き(オートファジー機能)を活性化し、体内のウイルス量を一晩で劇的に(十万分の一に)減少させる

 残暑が長引き、夏の疲れを引きずったまま本格的な秋を迎えると、便秘などの胃腸症状が悪化したり、喘息などの呼吸器疾患が重症化しやすくなります。
「なんだかスッキリしないな」「疲れが取れないな」と感じたら、我慢せずに当院へご相談ください。一人ひとりの体質に合わせた漢方治療で、未曾有の自然の猛威を一緒に乗り切りましょう。