酷暑がやってきた(令和5年7月)
7月17日、3連休の終わりの日に書いています。
世界中が異常気象です。年々、その度合いが増しています。このまま世界中が更なる異常気象に見舞われたら、甚大な食糧危機が到来し、戦争をしているどころでは無くなってしまいます。全世界的な地球の危機とも言える状況に向かっているような気がしています。
しかし、漢方医学の根底にある陰陽太極論が、易経や老子が述べているように、森羅万象に働いている法則であるなら、陰陽のバランス法則によって、いずれ「陽極まりて陰生ず」、「厳しい秋冬の後には、厳しさにバランスするほどの素晴らしい春夏が来る」と考えられます。
今は自然の気候においても、人間の社会においても、まだまだ耐え忍ぶときかもしれませんが、私は、今を超えれば素晴らしい世界が来ると東洋哲学を信じて頑張ろうと思っています。
当面、この酷暑を乗り切る具体的なコツは、暑邪と湿邪対策です。
これだけ暑いと湿度が上がりサウナ状態となって汗がふき出てきます。脱水になるだけで無く、体力を消耗して胃腸が弱り、気血水全てが滞る「痰飲:たんいん」状態になり、五臓六腑全てが正常に機能しなくなり、めまいや頭痛、慢性疲労状態になります。
具体的な対策としては
1)暑さの中に無防備で出ていかない(日よけ、日焼け止め、汗の成分よりやや薄い塩分を含むイオン水などの補水の用意)
2)徹底して胃腸を守る
①氷冷などの冷たすぎるものを一気に胃に入れない(井戸水と同じ18℃前後が安全、私の両親世代は、冷たい牛乳は良く噛んで (口の中で温めて) 飲めと言っていました)
②高脂肪食(揚げ物、フライ、唐揚げ、焼肉、チーズ、ヨーグルト、ケーキなど)を食べ過ぎない
③胃腸の冷やしすぎ、水分の摂り過ぎ、脂肪分の摂り過ぎが三つ重なると、「痰飲」を招きやすくなります(例えば、キンキンに冷えたビールに唐揚げや焼肉、チーズなど、高脂肪食ばかりだと危険です)
3)汗をかきすぎない
①35℃以上の猛暑日、30℃以上の真夏日には、弱めの冷房を継続して28℃前後を保つようにして、過剰発汗による体力の消耗を防ぐ(漢方では、発汗過多は、津液(しんえき:体内で機能している水分)喪失であり、大量出血と同じくらい問題だと認識されています)
②熱中症予防には水分補給に加えて漢方薬がベスト
どうしても屋外で仕事しなければならない人や、熱中症になりやすい人、「津液:しんえき」が大量に失われた時など、こまめに水分補給していても胃腸が弱いと、すぐには津液(しんえき:機能性水分)にならずに、水分が停滞して水毒・痰飲になります。
水分補給しても体調不良が続くなら、夏バテ暑気あたりです。利水効果が高く胃腸を補える「暑気あたり」という保険適応のある漢方薬で対応できます。
とにかく、これからの酷暑を耐えながら、希望を失わず、稔りの多い秋になるように頑張りましょう。