冬の食事と漢方薬(令和4年12月)

 12月に入って、寒気が南下してきました。今年は、ペルー沖の海水温が低くて東南アジアの海水温が高くなるラニーニャ現象が起きているので、西日本側に強い下降気流が生じて、冬の高気圧が強くなり偏西風が日本付近で大きく蛇行して、東日本に寒気が南下しやすくなり、西高東低の強い冬型の気圧配置が続き、例年より寒くなるようです。

 今日12月7日は二十四節季の『大雪』で、これから雪がどんどん降り始める本格的な冬の到来ですね。寒さ対策で最も大切なことは食事です。食品には温熱性と涼寒性の食材があります。獣肉では北海道の羊肉は熱性、牛肉と鶏肉は温性、沖縄の豚肉や牛乳は涼性です。魚肉ではブリ、タイ、イワシ、サバは温性で、アサリ、シジミは寒性です。野菜では葱や韮、生姜は温性で、夏野菜は涼性、ゴーヤやスイカ、バナナは寒性というように、成育地の気候や生育の季節によって身体を温めたり冷やしたりする作用を持っているのです。

 漢方薬も同じです。冬は身体を温めて血行を良くする生薬を含む処方が多くなります。元気な人の体調は気候の変化に敏感に対応して変化していくものですが、気候の変化について行けてないなと思ったら、食事や漢方薬で体調をサポートしてあげてくださいね。