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けんご(院長)
キーマスター

2019年6月の講演会のレジメを公開していますが、雑誌:漢方と最新治療 第32巻第3号2023年8月25日号に、「自閉スペクトラム症の中核症状に対する漢方治療の検討」という記事を投稿し、詳細に書いていますので、チャンスがあれば読んでみてください。
 8歳であれば、成人量の甘麦大棗湯を服用しても問題ありません。甘麦大棗湯によって、脳内のセロトニン神経とオキシトシン神経が活性化し、安心感を増やして恐怖感を軽減する働きがありますから、長期に服用して、脳神経を育てるという考えで、長期使用するのがよいと思います。
 ASDの原因は不明ですが、病態解明はかなり進んでいて、セロトニン、オキシトシン神経の不調による前頭前野の機能不全と、セロトニントランスポーター(神経シナプス)の発現低下と、防衛本能である扁桃体の過剰反応による感覚過敏や易怒性があることが分かっています。
 これは、丁度、高血圧になった原因は不明だが、降圧剤を飲み続ければ、合併症や後遺症を防げることと似ています。
 甘麦大棗湯はセロトニン神経とオキシトシン神経に働きますが、神経の連絡網、接続部位であるシナプスの機能不全には効きません。10歳を過ぎると、シナプスのスパインを増やす漢方薬を加えた方が良いと思います。
 現在は、全国の患者さんを対象として、「クリニックス」という商用システムを利用した 漢方治療のオンライン診療(初診)を行っています。どうぞ、ご利用ください。