慢性腎臓病CKDの西洋&漢方ハイブリッド治療
慢性腎臓病を予防するための生活習慣
慢性腎臓病は、初期段階では自覚症状がほとんどありません。しかし、健康的な生活習慣を心がけることで、発症や進行を予防することができます。今日から実践できるポイントをいくつかご紹介します。
1. バランスの取れた食事
- 塩分を控えめにしましょう。 塩分の摂りすぎは、血圧を上げ腎臓に負担をかけます。
加工食品や外食を減らし、だしや香辛料を活用して薄味に慣れましょう。 - たんぱく質の摂りすぎに注意しましょう。 過剰なたんぱく質、特に哺乳類(四ツ足)の獣肉は、血管内皮障害をきたしやすく、腎臓のろ過機能を酷使します。安全なたんぱく源は、鶏、魚、大豆製品です。
- 野菜を積極的に摂りましょう。 野菜に含まれる食物繊維は、塩分や糖質の吸収を穏やかにします。
2. 適度な運動
- 無理のない範囲で、体を動かす習慣をつけましょう。 ウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動は、血圧を下げ、血糖値を安定させる効果があります。
- 毎日30分程度の運動が理想的です。 運動する時間が確保できない場合は、階段を利用したり、一駅分を歩くなど、日常生活の中で工夫してみましょう。
3. 健康状態のチェック
- 定期的に健康診断を受けましょう。 腎機能は、血液検査や尿検査で調べられます。尿にたんぱく質や糖が出ていないか、血圧や血糖値が高くないか、クレアチニンが上昇していないかを確認することが大切です。
- 水分をしっかり摂りましょう。 水分が不足し尿量が減ると、腎臓の働きが悪くなります。尿の出具合が少なくならないようにしてください。
心臓や腎臓に病気がある方は、水分制限が必要な場合があるので、必ず医師に相談してください。
これらの生活習慣を続けることが、腎臓を守る第一歩です。ご自身の健康状態に合わせて、できることから少しずつ始めてみましょう。
慢性腎臓病の治療薬(漢方薬を含む)
慢性腎臓病(CKD)の治療薬は、その原因や病態、合併症の有無によって多岐にわたります。
1. 腎臓を保護する薬
- アンギオテンシンⅡ受容体阻害薬(ARB): 高血圧や糖尿病性腎症に広く用いられる薬で、腎臓の血管にかかる圧力を下げ、腎臓の負担を軽減することで、腎機能の低下を抑える効果があります。
- 選択的ナトリウム-グルコース共輸送担体2阻害薬(SGLT2阻害薬): 元々は糖尿病治療薬として開発されましたが、最近の研究で糖尿病の有無にかかわらず、慢性腎臓病の進行を抑制する効果が確認され、保険適用となりました。腎臓の尿細管での糖の再吸収を抑え、尿と一緒に糖を排出することで腎臓を保護します。
- 黄耆を含む漢方薬または黄耆末 : 天然物の中で緑茶と黄耆だけが、終末糖化産物AGEsを予防できるので、糖尿病や老化、癌化を予防できる働きがあります。
特に黄耆は、血清クレアチニン値を低下させる働きによって、CKDの悪化をくい止めて、腎臓の糸球体濾過量を増加させて、CKDを改善する働きがあります。
しかし、腎臓の尿細管機能を改善する働きはありません。この働きは、大黄製剤、駆瘀血製剤の一部に認められているため、複数の漢方薬を組み合わせて、早期のCKDであれば、積極的な漢方治療で、低下した腎機能をある程度戻せる可能性があります。
2. 合併症を治療する薬
- 血圧の降圧薬: 高血圧は慢性腎臓病の最も一般的な原因の一つで、進行を加速させます。
- 貧血治療薬: 腎臓が悪くなると、血液を作るホルモン(エリスロポエチン)分泌が減少し、貧血になります。
- リン吸着薬: 腎機能が低下すると、体内のリンの排出がうまくいかなくなり、高リン血症になり、骨がもろくなったり、血管の石灰化が進むことがあります。
- カリウム吸着薬: 腎機能の低下により、体内のカリウムが過剰(高カリウム血症)になり、不整脈などの重篤な合併症を引き起こす可能性があります。
- 高脂血症治療薬: 慢性腎臓病患者は、心臓病などのリスクが高まるため、コレステロールを下げるスタチン系の薬などが用いられることがあります。
3. その他
- 利尿薬: 体内の余分な水分や塩分を尿として排出させ、むくみや血圧を下げる目的で使われます。
- 活性型ビタミンD製剤: 骨代謝異常の治療に用いられます。
注意点
- これらの薬は病状や合併症に応じて、医師が個別に判断して処方するものです。
- 処方された薬については必ず医師や薬剤師の説明をよく聞き、指示通りに服用することが大切です。
- 自己判断で服用を中止したり、量を変更したりすることは絶対に避けてください。