#5607 返信

けんご(院長)
キーマスター

ご質問ありがとうございます。
漢方薬は、病原体の全く分からない時代に開発されたものなので、病気の人をどのように助けたら元気が取り戻せるかを、発病から死に至る疫病の病状の流れに沿って、治療法を工夫してきた2000年來の歴史的エビデンスがあります。
 その中で、ごく最近、科学的に漢方の作用機序が垣間見えてきたため、まだ臨床データは十分に揃っているわけではありませんが、コロナウイルスにもインフルエンザなどと同じように効く可能性が高いので、確実な治療法の無い現状で、よりよい選択枝として漢方薬を活用できたらと考えています。
 漢方薬はコロナウイルスに対する保険適応はまだありませんが、感冒症状への保険適応があるので、初期対応に、是非活用していただきたいのです。

ご質問に戻りますが、喘息は呼吸器系(五行の金気に属す)の虚弱体質ですが、漢方では五行説の「土生金」から、土気である胃腸虚弱が背景にあるために呼吸器系が弱っていると考えて、胃腸薬を併用します。
 漢方の感冒薬も胃腸に負担がかかるので、ご提案の漢方薬に、柴胡剤を併用する事が多いです。小学生で、喘息で発熱したのであれば、麻黄湯を使う場合が多いかと思いますが、もし、既に汗をかいているような状況では、決して麻黄湯を使わないで下さい。
 ご提案の3処方は、全て、抗ウイルス作用が期待できますが、使用にあたっては、発症した時点での症状次第ですので、以前の経験と同じような状況であれば、同じ漢方薬でもよいですが、漢方専門医にご相談された方が良いと思います。飲み方や養生法なども指導してくださると思います。